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木を知るColumn

vol.09 木を再生して造る味わいのある家

木の良さ

切る、削る、彫る、組むが自在にできるのが、ほんものの木の良いところ。 何百年も使われていた木も、切ったり、削ったりして、再生できるのも、木ならではの特徴です。
再生すれば、また使えるし、かえって味わいが増していきます。

木を再生して造った家

木を再生して造った家

大きく曲線を描く、古材の梁が、掛かる部屋です。 土壁に、障子と格子の窓。普通の家とは少し違う。
でも、どこか懐かしくて、とても落ち着く空間です。
この部屋の建主さんは、古い美しいモノが好きな方です。
古材に限らず、石や鉄のオブジェ、酒器など、美しいモノに造詣が深い。
建主さんのフィルターを通すと、数百年、使われていたであろう古材も、新しい空間で、古くて美しい木の魅力が蘇ります。

古材の梁がかかる部屋
一枚板の棚板

板張りの床

木の床というと、フローリング材を張るのが一般的。
このお宅は、幅の広い桂(カツラ)の板を張っています。
桂(カツラ)は、裁縫の作業台やまな板にも使われる木。
適度な柔らかさと弾力があるのが特徴です。触れた時の感触は、硬すぎず、柔らかすぎず、温かみがあります。

粗削り板張りの床
一枚板の棚板

仕上げは、ほとんど手をかけず、わざと荒く削っただけ。
もちろん、塗料も塗っていない文字通り「無垢の床」です。
この床に、ごろりと横になると、言葉にできないここち良さ。
ほんとうの木のぬくもりが、ダイレクトに体に伝わってきます。 初めから割れていた木も、手を加えて、使っています。
割れの部分には、これ以上、割れが広がらないように、チギリを埋めます。リボンのような形のチギリが、かえって、人の手仕事が感じられ、味わい深い床になっています。

割れをチギリで埋め、粗削り板張りの床
シンプルな無垢材のテレビラック

長押の腰板

板張りの床の手前に、土間があります。
外と内の中間のような土間には、土壁と腰板の壁があります。
ほぼ等間隔に、切れ込みが入った、腰板は、素朴で印象的です。
この腰板、実は、長押(ナゲシ)を裏返しに使っています。

入口の土間と腰板
一枚板の棚板

最近は、和室のあるお宅も少なくなり、お目にかかることもなくなってきた長押。
長押の裏側を、表にすると、初めて見る表情。長押の裏側が、こんな表情をしていることは、大工さんでも気がつかなかったことでしょう。
へこみの陰影が、なんともいえない表情で、古材の柱や、土壁と相まって、素朴で独特な雰囲気になりました。

長押(ナゲシ)を裏返しに使用した腰板
無垢材のテレビラック

このお宅のように、木は、暮らす人のこうしたい、こんな風に暮らしたいという、想い描いた暮らしに、応えられる、いわば万能素材です。 既製品には無いような素朴さも、どこにも売っていそうにないデザインも、憧れだった空間も、木を切ったり、削ったりしてできることがあります。 古くなっても、切ったり、削ったりできるから、直したり、再生できます。そして、何十年も使えます。 想い描いた通りの家は、みんな、笑顔になります。そして、家に愛着が湧きます。 愛着のある家は、みんな、大切に暮らします。だから、長く暮らせます。

板張りの床と古材の敷台
一枚板の棚板

人の寿命は80年から85年ほどですが、木材の寿命は、100年とも1000年とも言われています。
木と比べると、短命な私たちは、木の寿命で物事を考えるのは、ちょっと難しいけれど、家の一部でも、子供や孫の世代まで、残してもらえる家づくりを考えていきたいものです。
自分の家が、大きなゴミにならず、次の世代に伝えられたら、環境破壊も減るのではないでしょうか?

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